運命の始まり

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「ハァ、ハァ、ハァ、くそ」 古代遺跡に近い造りの洞窟を一人の少年 が走っていた。 その後ろからは、二人の男性の声と 共に何かが倒れる音が鳴り響く。 「くそ、俺が一体何をしたんだよ 面倒くせー」 少年は愚痴をこぼしながら、ただひたす ら逃げ続ける。 少年の名前は、山重 陸。 見た目は、高校生に見えるちょっと 美形な少年だ。 そんな彼の服は、ところどころ切れて いて、血も少し流れていた。 そんなことは、お構い無しに走る後ろで は、いつの間にか二人の男性が少年を見 つけ、追いかけてくる。 「いい加減諦めて我らに殺されるが いい。」 「だれが殺されるかよ!そんなメンドイ ことするかよっ!」 「「!!」」 少年は、どこから出したか。その両手 には、二挺の拳銃が握られていた。 少年は、そのまま二人の一歩手前を 狙って発砲した。 「ぐっ!」 「くそ!」 二人は、サッカーボール程の銃弾をなん とか避けたが地面に当たった銃弾は、 勢いよく爆発し、土煙を巻き上げる。 その結果、ターゲットとなる少年を見失 ってしった。 二人の男性から、少し離れた場所に先ほ どの、少年の姿があった。 「ふぅ、どうやら巻けたかな? 本っ当にしつこい奴らだ」 などと、愚痴っていると視界の端で 何かが動いた気がして、一挺の拳銃を 出現させて、動いた影の近くを狙って 一発 撃ってみた。 パンッ!! 「キャッ!」 すると聞こえてきたのは、男の声でも モンスターの鳴き声でもなく、 一人の少女の声だった。
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