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「少し不公平だと思わないか?」
「いいえ、全く全然これっぽっちも塵芥も思いません。」
命が不公平だと言っても俺は同意しない事を伝える。
そんな雑談をしながら俺は、氷室と宗二の寝ている布団から飛び出した腕と足を再び布団の中に戻す。
命も先程まで凛と光に読み聞かせていた絵本を傍らに置いてから肩が出ていたのでそれを修正する。
俺と命は寝間着に着替えてから弟妹達を寝室に敷いた布団に寝かせる事に成功した。
これで台所で明日の準備をしている千里に邪魔が入らずに正義の味方について聞くことが出来る。
命は、凛達に絵本を読んでやっているか一緒に寝ているという設定にでもすれば千里も盗み聞きされる心配は無いと判断して素直に話してくれるだろう。
「それでは、千里に聞いてきます。」
「ああ、気をつけてな。」
「はい。」
命の一言には、アンタレスの事を気付かれないようにするのと千里をなるべく責め無いようにという意味が込められているように聞こえたが故に素直に返事をして弟妹達の寝室から千里のいる台所へと向かう。
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