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千里の答えを聞いて更に思う。
今の答えの中に変身アイテムの秘密も含まれていたような気がするという考えだ。
だが、千里はその事に気付いていないようだ。ならば黙っていよう。千里は、きちんと秘密を守っているという結果だけが残ればそれでいいのだ。
「あっ!・・・お父さん、今話した変身アイテムの事は内緒でお願いします。」
おお、千里は自分で気付けたようだ。ならばそのお願いは兄として聞き入れないわけにはいかない。
直ぐに首を縦に振る事で了承すると千里は安心したのかホッと息を吐いた。
だが、ここで少し疑問に残る事がある。
人ごみの中を逆らう男子を見つけたのは誰でも有りえる。だが、普通ならばその男子を追ってまで注意しようとは思わないはずだ。
まさか・・・・・・これだけは聞かないといけないようだ。
「なあ千里。」
「何?」
秘密を守る事を了承されて気が緩んでいるのだろうと解る笑顔で千里が続きを促す。
俺は、もしかしたらこの笑顔を凍りつかせるかもしれない。
だが、気になったが故に聞かねばならない。
「何で危険を冒してまでその男子を追ったんだ?」
ビシ!
なんて擬音がこれほどにまで似合う場面に遭遇した事は無い。
「な・・・何でって・・・・・・それは、何ででしょう?」
よほど言いづらいのだろうか?
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