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仕方ない。憶測が大分混じるが更に深く入って聞いてみよう。
「まさか、その逆走男子が以前から気になっていた奴でこれをきっかけに交際に発展しようとしているとかだったりするのか?」
千里は表情を変えない。その代わりに千里は、汗っかきではない筈なのに凄い汗をかいて目は左右に泳いでいる。
奴をあの時ころ・・・滅ぼしておかなかった事をこれほどまでに後悔する時が来るとは思わなかった。
「その内家に挨拶に来るだろうから楽しみだ。」
どうやれば証拠を残さずに処分できるか今から検討しなければならない。
「さて、俺にも迎撃準備が必要だからそのスカイ野郎の本名を教えてくれないか?」
「そんなの・・・何に使うの?」
恐る恐るといった感じで千里が聞く。それに俺は正直に答えてあげた。
「そいつのプライベートを全て洗い出して非常時の脅迫材料にするのさ。」
後である人から聞いたのだが、この時の俺の表情は物凄い笑顔なのに底冷えする何かを感じ取れたと言う。
「む、無理だよ。教えるのは無理。」
千里は断る理由が思いついていないのか、同じ事を2回言う事でささやかな抵抗を試みているようだ。
何だか先程から俺が弱者を脅迫する悪党に聞こえなくもない感じになっている気がする。
・・・・・・どうでもいいか。それで千里に近付くスカイ野郎の1匹や2匹潰せるのだから安い対価だ。
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