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ならばどの様な口車で千里の口から引き出そう?
そう考えていたら背後から足音が聞こえてくる。
「あー、兄妹水入らずのところ非常に申し訳ないのだが、私もお邪魔して良いだろうか?」
足音の主は命だった。弟妹達のいる寝室で聞き耳を立てているのではなかったのか?
「あ、いえ、そんな事はありません。どうぞ。」
千里は命を助け舟と思ったようで直ぐに会話の輪に入れた。
「では、邪魔するよ。」
そう言いながら命は台所に入り千里の隣に移動するためか、俺の前を横切ろうとする。
千里は、客人である命が会話に入ったのだからもうこの話題は終了したのだと安堵して笑っている。
甘いぞ千里、命もスカイホークについて調べている同士だ。敵が1人から2人になっただけなのだから俺の優位性は変わらない。
あれ?そろそろ本当に千里の敵的な思考に支配されてきていないか俺?
敵を倒すときはまず味方から?そんで裏切りか内輪もめかといぶかしんだ敵の背後に回って奇襲を仕掛けて生き残るのは俺だけ?
もしくは、裏切り者に相応しい惨めな最後を迎えるのか?
「正義の味方になった理由がわかったんだから余計な事を聞いて諍いを残すな。」
通り過ぎさまに俺にのみ聞こえる音量で命が呟いた。
訂正、千里の味方が1人増えて俺の劣勢となり話題続行は不可能となった。
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