廃ビルより殺意を込めて

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半分に割れた装着装置の間から出て戦闘員服に装備された試作兵器を確認する。 まず腕から確認しようと視線を下に向けると戦闘員服の上に真っ白なコートのような物を着ている。 下も裾が広がっているが同じく白いズボンのような物を着ている。 いまいち良くわからない。 「一昔前の不良のようだな。」 レディーウルフがそう言っていたので、どんな姿になっているのかを聞いてみる。 その結果、俺の姿は戦闘員服の上から白い特攻服を着ているような姿で頭には、まるでフランスパンを乗せたように突き出ているリーゼントが生えているとの事だ。 確かに喧嘩をよくするのは不良だけどさ、タイマン用の兵器としてチョイスするべき物だろうか? 「背中には、当て字のような漢字の羅列が刺繍されているぞ。」 「なんて書いてありますか?」 ろくな事が書かれていないだろうが、恐る恐る聞いてみる。 「邪(よこしま)夢、惨、怒が刺繍によって縦一列に大きく描かれている。」 当て字って事は漢字の読み方から別の言葉を表しているのだからそれをふまえて解読すると 「ジャムサンド?」 「正解!」 Dr.ラキアが笑顔で肯定している。 どこの世界にジャムサンドの字を背負って喧嘩に向かう馬鹿がいるんですか?それともその第一号にでもなれとでも言いたいのですか? 「他にも当て字のお菓子の名前があるよ!」 だから探せとでも言っているのだろうか?
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