廃ビルより殺意を込めて

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Dr.ラキアの説明はそれだけのようだ。 なので、俺から1つ質問する。 「自爆機能はありませんよね?」 「つけて欲しかった?なら今からでも遅くないよ!」 「レディーウルフ、今回は出撃するんですよね?」 「ああ、出撃しなければスカイホークと戦えないだろう?行くぞプロトルーパー!」 「はい!」 Dr.ラキアの返事に満足した俺は、レディーウルフと共にステルスヘリへと向かう。 「無視しないで!」 Dr.ラキアのそんな声を背に俺とレディーウルフはステルスヘリに乗り込んだ。 座席に座るとハッチが閉まり、移動を開始した。 「プロトルーパー、今回の作戦内容をこの場で教える。」 俺は頷く事でレディーウルフに続きを促す。 そして、聞いた内容を簡単に纏めるとこうだ。 サイバー部門に頼んで正義の味方本部に一時のハッキングをして軽いサイバー戦をしてもらい、スカイホークの担当地区内にある山奥の廃ビルでアンタレスの支部があるという偽の情報を逆に奪われたように見せかける。 その情報を元に駆けつけたスカイホークを廃ビルで待ち構えている俺とレディーウルフで迎撃すると言うものだ。 「すいません、個人的なことなのにこんな大事にしてしまって。」 更にはサイバー部門のDr.ラキアの友人には下着をあげる約束までさせてしまった。 「いや、私がお前に教えた方法だ。私が責任を持って実行するのは当然だ。それに、正義の味方へのハッキングは最近簡単な所ばかりだったサイバー部門のストレス解消代わりだ。」 自身が提案したからってここまで割り切れるとは、俺が女だったら惚れているだろう。・・・・・・何だか色々と間違った思考に突入しているような気がする。 「でも、正義の味方はその情報に騙されてくれますかね?」 「恐らく疑ってかかるだろうから担当地区の正義の味方をそこに向かわせて様子を見たりするだろう。」 「だからスカイホークの担当地区を選んだんですね。」 「そのとおりだ。」 作戦内容を理解したところでハッチが開き始めた。どうやら目的地の廃ビルに着いたらしい。 俺は降下用のバーに腰から出すワイヤーの先のフックを引っ掛けるとそのまま真下に見える廃ビルの屋上に向かって降下した。
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