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仲が良い人達に憑りついて喧嘩させると意外と面白くて何回もやったの。
「そこら辺に放置された手頃な鉄パイプで殴りあったりもしたっけな、姐さん。」
私が悪霊をやって建設途中で悪戯をしていた時にフラッとやってきた弟分の悪霊が私の回想に口を出す。
そうね。まるで格闘ゲームをしているようで楽しかった。
でも、やりすぎたのか最近は滅多に人が来ないの。とてもつまらない。
「姐さん姐さん、その事ですが人が来やしたぜ!」
それは本当?どこにいるの?何人?
「屋上に男女の2人組でさあ。」
え?何で屋上にいるの?
今までの奴らは1階の正面入り口か裏口から入ってきたのに。
とりあえず屋上に行き、私達の歓楽の犠牲になる2人組を見に行くのだった。
屋上に着いたときに見た姿は、意味が解らなかった。
女らしき人物は狼を模したかのような全身黒の怪しいスーツを着ている。
それだけで意味不明の条件を十分に満たしているのに追い討ちをかけるような男の格好がそこにある。
全身黒のスーツと怪しげなマスクの上に、私が生きていた頃でさえもう古いと言われていた白い特攻服にマスクの上から生えているフランスパンを連想させるリーゼント姿。
こいつ等は今まで此処に来た奴らとは本当に色んな意味で一線を画していた。
「姐さん、ありゃいったい何ですか?」
多分、コスプレじゃないかな?
「ああ、なるほど!」
変な格好をしていようと獲物は獲物に過ぎない。気を取り直して憑りつきましょう。
「いえっさー!」
私は
「俺、あの女が良いっす。」
・・・あんたも好きだね。まあ良いさ。それじゃあ私はあの男に憑依するかね。
それじゃ、やるよ!
「はい、姐さん!」
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