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「ちょっと待て、プロトルーパー。その背中に。」
「背中の文字なんて気にしてませんから早く行きましょう!」
俺は逸る気持ちに従って階段を降りていく。
「・・・正気のようだし、後でいいか。」
そんな言葉を聞き流して1階に到着すると、あちらも同時だったようだ。
「ここか?悪の組織の支部があるかもしれない場所ってのは?」
「データでは、ここで間違いないようよ。」
千里と善治の声が聞こえてくる。俺はある程度中に入ってくるのを待ってから大きな声で2人に宣戦布告する。
俺の声は、ボイスチェンジャーで変えられているから「オオォ」ではないが別人のような声になっているので、喋り方で正体がばれないようにするだけでいいのが嬉しい。
「ハッハハハハ!まんまと誘き出されたなスカイホークとホワイトホーク。此処が貴様らの墓場となるのだ!」
まずは定番の高笑いと挑発で始める。
「お前は、ファイナルファイヤーを倒した戦闘員か?」
「やっぱり罠だったのね!」
スカイホークは俺に対して反応し、ホワイトホークは待ち伏せされていた事に反応した。
「そう言う事だ。大人しくここで屍を晒しなさい。」
レディーウルフは、俺の後ろからゆっくりと歩きながら威圧的に言う。それだけで目の前の2人は足を1歩分後ずらせる。
「レディーウルフまでいるなんて、本当に私達を倒す気ね!」
「だが、俺達はお前達に決して屈しないぞ!」
それでも引かない千里の勇気に感動し、善治の愚かさを見て俺の表情に嘲笑が沸く。
さあ、これで遠慮なくスカイホークを殺せる。
何なの?この痛々しいコスプレ集団。まあ良いわ、こいつはスカイホークって男を戦うつもりのようだからお前はそいつに憑りつきなさい!
文句は言わない、サッサと行け!
「さあ、やろうか?」
俺は、変な脳内会議を無視して戦いの開始を促した。
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