廃ビルより殺意を込めて

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悔しい。 俺は敗北したのだ。 善治が千里の彼氏として相応しいかどうかを試していたというのに、ここで敗北してレディーウルフに助けられるとは、己の情けなさに涙が出そうだ。 「こちらの戦闘員がこの状態で戦闘を続けるのは不利もいいところだ。今回は素直に敗北を認めよう。」 俺を抱えたままレディーウルフはステルスヘリのバーにワイヤーフックを引っ掛けて上っていく。 「勝った・・・勝ったんだー!俺、奴に勝ったんだー!」 「そうよスカイホーク、これで・・・これで認めてもらえるのよ!」 抱き合って喜ぶ千里と善治を見ていると、ステルスヘリのハッチは無情にも外の世界とのつながりを絶つ。 本部に戻る途中のステルスヘリの中で、俺が抵抗できないのをいいことにレディーウルフは自身の太ももに俺の頭を乗せるという所謂膝枕の状態にするのだった。 ようやく右腕を動かせるようになったので目を隠すように動かしたら手がロケットリーゼントに当たり、ポロッといった感じでマスクから外れた。 無言でレディーウルフが屈んで拾おうとすると目の前に2つの山が迫る。 だが、触れることなく再び離れると外れたロケットリーゼントを見せてくれた。 「エンジン部分は、まだマスクの後頭部にあるがこうなるとなんと形容していいのか解らんな。」 レディーウルフの言うとうりに何と表現していいのか解らなかった。こんな髪型なんて聞いた事も見た事も無いのだ。 近いもので言い表すならば、リーゼントのフランスパンの部分がアフロのように爆発していたので、その合いの子と言った所だろう。
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