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「有久、お前は彼女を欲しくは無いのか?もしくは彼女にしたいと思うような女性はいないのか?」
そう聞かれてから3分ほどたってからようやく命が枯れた男である俺の事を心配しているのだと理解してようやく口が動いた。
「1人いますけど、俺には高嶺の花過ぎているので諦めてます。」
「誰だ?」
直ぐに命が聞いてくる。ここで正直に言えば今後の関係は壊れるだろうけど、こういうのは真剣に答えなきゃいけないのだろう。
「月白命さんです。」
俺はアッサリと答えた。
命は、スタイル抜群の凛とした美人でありながら弟妹達の面倒をいやな顔一つせずに見る事ができる器量良しだ。
俺よりも良い男を選び放題だろう。
だから、密かに抱くこの心は打ち明ける必要は無いと思っていたのだがこんな形で告げる事になるとは思わなかった。
言われた本人は、目をぱちくりさせてから自身の頬をつねった。直ぐに離して
「痛い。」
と言う。
「ですので残念ながら現実です。」
俺は当然だが、振られるだろうと思って命の次の言葉を待つ。
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