学生だから

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何故だろう? 何故、正義の味方が一切関係ないこの状況の方が身の危険を感じるのだろうか? そして、どのようにしてこの状況を打破できるかを考えている間に命も弁当を食べ終えたようだ。 「ご馳走様。」 両手を合わせてする様すら凛としていると感じてしまったのは初めてだった。 さて、現実逃避はおしまいだ。 いかにしてこの先輩方(敵)のひしめく教室から無事に脱出する方法を考えないとな。 「ああ、そうだ皆。」 命は周りを見渡しながら言い始めた。 「彼は私の大事な人だ。・・・くれぐれも、そしてこれからもよろしく頼む。」 いろいろと誤解を招きそうな言葉のオンパレードで、どこから訂正するべきか解りません。 「な!」 「そんな!命様!」 「毒牙が、毒牙が命様のお体に届いてしまうというのに!」 「何故ですか命様!」 「始末しろなら即実行しますがこの判断は間違いです!」 男子の先輩方からは、驚きのうめき声が聞こえた。 対して女子の先輩方からは新手の宗教がするような魔女狩りまがいの発言が聞こえる。 俺は、弁当を食べただけなのにここまで殺意を抱かれていたのか? 「どうしてもこうしても無い。ただ、釘を刺しておかねば何かしらしかねないと思っただけだ。」 確かに何も言われていなければ何かしらされていたでしょうから感謝します。 「それでは、そろそろ昼休みが終わりますので失礼します。」 いろいろと疲れたが、それだけを口にして俺は立ち上がった。 「ああ、また一緒に食べよう。」 その言葉に「はい。」と答えて命の笑顔以外は怒りと憎しみと少数の同情の眼差しに見送られて2年D組を出た。
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