学生だから

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授業だけは何事も無く始まり、終わる。そして掃除も終わって放課後になる。 下駄箱で靴を履き替えてアパートへの帰路についた。 命は掃除が直ぐに終わる為、帰りが早い。普段は俺の帰り時間とは合わさらないという事だ。 前回の待ち伏せは、本当に稀な出来事だと夜食を食べている時に教えられ、「有久は待たなくて良い。」と言われたから心残りなく帰れるのだ。 アパートに帰り、俺の部屋に行こうと階段をあがりきり部屋のドアを見る。 女性の生足っぽいのが生えている? 己の煩悩によって作られた幻覚は、ドアに対して欲情するまでになったのかと自分自身に呆れながらドアを開いた。 「あっちょっと、待って!抜けない抜けない!」 ドアの反対側から幻覚女がドアに引っ張られるように片足けんけんをしながら連動していた。 着替えをしている途中で幻覚女は見えなくなり、俺より先に帰っていた命のいる管理人室を訪ねて合流した。 さて、気持ちを切り替えてバイトを頑張りますか。
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