学校の怪談

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「何でこれでも顔色一つ変えないのよ?・・・でもこのまま私が湯船を占領していれば流石に気味悪がって普通なら入らないよね?」 なら、私の勝ちじゃん!と寝言にも劣る戯言が幻聴として扉越しに伝わってくる。 まるで本当の幽霊みたいだな。 だけど今は早く寝たい。 だからそんなどうでもいい事で風呂に入らないなんて選択肢は発生しない。 さて、服も脱ぎ終わったから扉を横に引いて湯船につかるとするか。 そう思って取っ手に手をかけようとしたらまた幻聴が聞こえた。 「え?何?まさかこの状態の風呂に入ろうとしてるの?」 わざわざ用意したんだ。入らなくちゃ今日の疲れがとれない。 ガラ! 「キャァアアア!」 勢い良く扉を開くと顔を両手で覆い隠したまま壁をすり抜けて消えていく幻覚女が見えたような気がする。 そして何事も無く風呂に入り、サッパリした気分で布団に入り寝る。 明日も学校だ。 疲れが残らないように眠れると良いな。
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