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「誰っしょ、お前?」 「あはっ!! 第一声がそれかー!! 僕は青田、君を知っている。けれど青田、君は僕を知らない」 男子はそこで一旦言葉を切った。 それから、目に宿ったのは悪意に満ちた光。   「何様だい、君?」     向けられたいわれない敵意。 初対面の人間にこうまで嫌われると傷付くはずだ。 普通の奴ならね。 「屑が……、自分で何度も言っているだろうがっしょ…… 俺は 青田『様』だ!!」 ギィン!! と、まあ効果音を付けるならそんな感じか。 とにかく俺は、ひたすらに上から目線で答えてやった。 あまりに堂々と胸を張る俺に恐れをなしたのか、男子は若干顔をこわ張らせている。 「……ふ、ふふふ。威勢が」 「二度目だ、屑が。さっさと名乗れ。 テメェは訳のわからない受け答えしか出来ないシーマンかよ」 「レ、レトロなゲームを知ってるな、君……」 男子が呟いた瞬間……!! 俺の義手は男子の顔を鷲掴みにしていた!! 何が起こったか把握する間もなく、宙を一回転する男子。 正確には俺が振り回したわけだが。 というわけで、地面に叩き付けられた男子。その姿は数秒前までの人間のそれではなく、ただの肉塊と化していた…… ……   まあ、ぶっちゃけ顔面鷲掴みのくだりからは俺の妄想だ。 人の多い道の往来で、そんな殺人行為が出来るわけないだろうが。 それだけ男子の態度が苛ついたということだ。
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