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ここは冷静に対処だ。
出来るだけ殺気を抑えるため、まずはニ゛ゴリ゛と笑う。
「屑が……、これで三度目だっしょ。
早くナ・ノ・リ・ヤ・ガ・レ」
……
言葉に殺意がこもるが、まあ仕方ない。
ブチコロシカクテイネ、とか言うよりマシだろ。
で、肝心の男子と言えば、眼鏡の真ん中に置いて指の間から俺をじっと見ていた。
出方を窺っているのか……?
名乗れば良いだけの話だろうが……。まったく最近のガキは……
※俺も同じく高校生
「ふふん……」
おっと、溜め息を付きましたよこのガキ。『ふふん』じゃ分かりにくいだろうが。
「波照間 朱雀(はてるま すざく)」
男子の口から出た意味不明の単語に、俺は少し唖然となった。
波照間……? 何処かの諸島だったような。
朱雀……? 白虎と玄武とかの四聖獣か。
俺があまりに腑に落ちない顔をしていたからか、男子は言葉を重ねた。
「僕の名前です。
波照間朱雀、高貴な僕に相応しいと思いませんか?」
帰れ。
というか自画自賛かよ。俺の知り合いである自称王様を彷彿させる……
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