14/26
前へ
/150ページ
次へ
ここは冷静に対処だ。 出来るだけ殺気を抑えるため、まずはニ゛ゴリ゛と笑う。 「屑が……、これで三度目だっしょ。 早くナ・ノ・リ・ヤ・ガ・レ」 …… 言葉に殺意がこもるが、まあ仕方ない。 ブチコロシカクテイネ、とか言うよりマシだろ。 で、肝心の男子と言えば、眼鏡の真ん中に置いて指の間から俺をじっと見ていた。 出方を窺っているのか……? 名乗れば良いだけの話だろうが……。まったく最近のガキは…… ※俺も同じく高校生 「ふふん……」 おっと、溜め息を付きましたよこのガキ。『ふふん』じゃ分かりにくいだろうが。 「波照間 朱雀(はてるま すざく)」 男子の口から出た意味不明の単語に、俺は少し唖然となった。 波照間……? 何処かの諸島だったような。 朱雀……? 白虎と玄武とかの四聖獣か。 俺があまりに腑に落ちない顔をしていたからか、男子は言葉を重ねた。 「僕の名前です。 波照間朱雀、高貴な僕に相応しいと思いませんか?」 帰れ。 というか自画自賛かよ。俺の知り合いである自称王様を彷彿させる……
/150ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加