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「変わった名前だなっしょ……。ペンネーム?」 「失敬な!! 無礼なことを、言うな!!」 「いや、そんなに怒るなよっしょ。 しかし……、ふーん。本名なのかっしょ。 格好いいね、羨ましいね、拍手するね」 やる気なさげに拍手する俺。 波照間、君だっけ? このタコの神経を逆撫でするには効果抜群だった。 波照間は顔を真っ赤にして怒りを抑えていた。 どれ、もう少し煽るかな…… と、俺が続けて皮肉ろうとした時、波照間は動きを止めた。 眼鏡に手を置いたまま俯いているため、表情が見えない。 突然静かになった波照間に恐れをなしたわけでは無いが、俺は様子見をすることに。 …… 「ふふん……」 また溜め息。しかも今度のは嘲笑う調子が含まれている。 「挑発には乗らないよ青田、君」 したり顔で何かほざいてきた。 思いっ切り挑発に乗ってただろ。 あと、いちいち名前と君を区切るな。鬱陶しいにも程がある。
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