17/26
前へ
/150ページ
次へ
まったく……。一体なんなのだ、あの波照間とかいう奴は? いきなり喧嘩を売ってくるとは。 俺は波照間が去った方にチラリと目を向けた。 奴の背中に熱い視線を送ってやるつもりだったが…… 予想外な光景に、俺は少し混乱した。 「あれ……? あの二人……、知り合いなのかっしょ……」 波照間と名乗ったタコ。 先程気にかかった薄幸の女子。 その二人が何やら会話をしていたのだ。 街の喧騒と距離の遠さで会話の内容までは分からない。だが、どうも顔見知りのようだ。 しばらく何か話していると、女子の方がおもむろに髪をしばりだした。 出来上がった髪型はツインテール。 「ぶふぁっ!!」と思わず吹き出す俺。 に、似合ってねぇ……!! 女子は覇気がなく落ち着いた感じ、悪く言えば老けて見える。 ロリの真骨頂とも言えるツインテールが似合うはずがない!! むしろ滑稽だ!! そんな不釣り合いな髪型にしても一向に気にする素振りを見せない波照間と女子。 二人はそのまま歩き出し、やがて人の波へと消えて行った。
/150ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加