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レジの下部分にはショーケースが設置されている。中には男の自分でも惹かれる色鮮やかなスイーツが並んでいた。 はぁ~、なるほどな。テイクアウト可能な上に見本も兼ねているわけだ。メニューを見ているだけより実物を見た方がそそられるもんな。 「い、いらっしゃいませ……」 人が大いに感心しているところに、あからさまに引いている声を掛けられる。 タレ目を思わせるやや傾いたフレームのオサレ眼鏡を掛けた女性店員だった。 目が合うと、 「ひぃっ!!」 何故かびくついていやがる。 溜め息を付きたい気分だったがここは我慢。 店員の眼鏡を叩き割るにしてもスイーツを買った後だ。 「……『メガシュークリーム』を二つ頼むっしょ……」 大きめのパイシューの中に四種のクリーム。カスタードを中心にバニラ、チョコ、抹茶クリームが入っているスペシャルシュークリームだ。一個二百五十円也(税込み)。 「メ、メガシュー、ぷっ! を二つですね、くっ……ぷふっ! 『っしょ』って……!!」 何笑ってんだコイツ。 そんなに俺の語尾が面白いか? というかプッツンしてもいいよね、コレ?
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