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「えーと、ぷっ!! ご、五百円になりまぷふぅー!!」 このアマ……。ぷぷぷぷぷぷぷぷ言いやがって。 財布から五百円玉を取り出すが、普通に支払うつもりは更々ない。 左手の親指と人差指の上に硬貨を乗せ…… 義手の出力を上げる!! 狙いを定め、親指で硬貨を弾いた!! ……暗器。 古来より暗殺に用いる道具は実に様々。 その中には硬貨も含まれていたりする。まあ、実際には縁を削り、鋭くした硬貨を使用するわけだが…… もちろん、俺の使ったのは普通の硬貨だし、弾く強さも微々たる勢いだ。 だが、飛来する五百円玉をただの店員が避けられるはずがなく、額で受け止めるはめに。 ペチンと良い音が鳴った時、俺のムカつきがすぅーと晴れていく。 「きゃぷっ!!」 悲鳴まで、ぷっ、とは恐れがいった。 加えて、額から落ちた硬貨をしっかり手で受け止める店員精神には両手をあげるしかない。 「あとは客に失礼な態度を取らなければ百点だなっしょ」 物凄く勝手なことを呟き、品物を手にさっさとずらかる。さようなら~。 店員の金切り声を背に浴びながら、輝欄とともに退散。 「青田ん、大人気ないよぉ~……」 走りながら輝欄が諫めてくる。 うん、全くその通りだ。 だけどな…… 『っしょ』を馬鹿にされると腹が立つんだよな……
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