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翌朝、俺は眠気と闘いながら登校していた。
「うおぉぉ……眠いっしょ、そして首が痛いっしょ……」
座って寝たため寝違えたらしい。
「あははぁ、青田んの目が『3』になってるよぉ」
まるで眠気を感じさせない輝欄。朝から元気な娘だぜ。
というか、俺の目が『3』だと?
(3Å3)←こんな顔になっているのか……? どこののび太だよ。
「首とかぁ、痛いならぁ、擦ろうかぁ?」
次いで彼女は優しさを見せてくれる。
誠に嬉しい申し出なのだが、ここは学校の目の前。他の生徒の目がありまくりだ。
「今は遠慮しとくっしょ、…………………んっ?」
校門を抜け正面玄関が視界に入った時だった。
意図的に隠れる誰かの姿が見えた気がするのだが……
気のせいだったか?
「どうしたのぉ?」
じっと玄関を見ていた俺に心配そうな声をかける輝欄。
この様子だと彼女は何も見ていないらしい。
いや、そもそもが俺の考えすぎか。自意識過剰はいかんな。
「何でもないっしょ。さっさと行こうぜ。
……あっ、それから首揉み揉みは後でよろしくっしょ」
それは外せませんので。
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