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突如として現れた女子の言動は、俺の逆鱗に触れるものばかり。
立て続けに起きた事件によって、不安定気味になった俺の精神は揺れっぱなしだった。
そんな俺の暴走を抑えるため、輝欄は懸命に宥めようとする。
今も俺に優しい声を掛け背中を擦ってくれている。
「どぉどぉ……だよぉ、青田ん」
「ふしゅるッ……!! ふしゅるッ……!!」
なかなか興奮覚めやらぬ馬……ってか俺。
何がムカつくかって?
それは女子が黙って俺を眺めていることだ。
あたかも「私は無関係です」と言っているみたいだった。
それから、ゆらゆら揺れるな!! 貴様は水槽にへばり付く藻か!?
……
およそ一分後、ようやく落ち着いてきた。息も整い、少しは冷静に対処が可能だ。
既に俺から離れ、後方で控えている輝欄に感謝しつつ、思考を巡らす。
こういう訳の分からない奴と会話をする時は、順序よく道筋を立てていかないと駄目だ。
いきなり用件を聞いたのは失敗だった。まずは自己紹介くらいから始めるのが良いだろう。
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