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ならば、そのクラス所属の彼女は…… 「……得意な教科は……倫理、苦手な教科は…………たくさん。 好きな食べ物……は……ない、嫌いな食べ物は…………いっぱい……?」 いやいやいやいや!! 誰もそこまで聞いていないから!! だいたい倫理って何だよ!? お前とは無縁のものだと思うわけだが!? あと、嫌いな食べ物!! 疑問系で言われても困りますから!! もう面白過ぎて、とても全部に突っ込めねぇよ!! 「もういいっしょ!! 分かったから!!」 不思議そうに首を傾げる女子、えーと名前は、瀬能……だったはず。 瀬能は何がいけないか分かっていない様子だった。 俺は軽くうなだれる。 話を進めるのが億劫だ。 「……じゃあ、次だっしょ。あんた、初めに『あの……』って言ったよな。 それはつまり、俺に何か用があったのかっしょ?」 「…………そう」 俺が細かく説明したのに対し、瀬能の返事は短く要領を得ない。 用があるなら用件を言えぇぇっ!! と、怒鳴りたくなる気持ちを握り拳に止どめる。
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