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輝欄と別れ、急いで教室に向かったが途中で本鈴が鳴ってしまった。結局、遅刻なわけですね。 あの女のせいだ……。死んだ魚のような目もちょっとトラウマになったし…… 朝から散々だな。 とはいえ、遅刻については問題ないだろ。 今は欠席者も多いし、何より担任がアレだからな。 俺は特に緊張もせずに教室の後ろのドアから入っていく。 「おはようございま~っしょ」 軽く挨拶し教室を見回す。 約半分の席が空席状態だった。つまり、俺のクラスでの『ブラック』被害は約二十人。 退院して復帰するのは来週以降かな。 それから教壇の方に目を向けると、そこには我らが担任の館田 二三一(かんだ ふみい)先生が立っていた。 プリプリ怒っているご様子。 「ふみぃ!! 青田ちゃん、遅刻ですよ!!」 「すいませんっしょ」 先生のお叱りを適当に流しつつ、俺は着席した。
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