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次に話しかけてきたのは隣りの席の王様、悪津 様(あくつ よう)ことワルツだった。 「友よ、重役出勤が許されるのは唯一、我のみと知っているか?」 「お前の夢の内容まで知ってるわけねえだろっしょ。 目を開けながら寝言は止めろ、気持ち悪い」 自分が世界の中心だと言わん許りの物言いには少々うんざりだ。 大体において、自分が先週の麻薬騒動の元凶だという自覚があるのだろうか? 「はははっ!! 友は手厳しいなぁ!!」 ワルツは何が嬉しいのか、随分テンションが高かった。 こいつのプラス思考さは見習うべきなのか。 ちなみに、教壇ではまだ二三一先生が何か言っているようだが無視した。 「それよりも……だ、聞きたいことがあるっしょ」 そう。大事なことは別にある。 本来、情報収集は茜の得意分野なのだが、いないのであれば仕方ない。 ワルツに聞いてもなぁ~、と思わないでもないが下手な鉄砲でいこう。 「ほぉ……聞こうか」 ワルツはわざわざ前を向き、視線だけをこちらに向け格好つける。 同性の俺に流し目を使うなよ……。無駄にイケメンだから様になってるけどさ。
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