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「でだ。問題はそのクラスの奴で瀬能っていう女子、あるいは波照間って男子のことだ」 「波照間朱雀ならば知り合いだ。瀬能ネイも一応面識があるな」 「マジかっしょ!?」 普通に驚いてしまった。 聞いておいてなんだが、ワルツが二人を知っているはずがないと決め付けていたのだから。 「そりゃまた、どういう経緯だっしょ?」 「ほぉ、もしや我が波照間朱雀と関係を持っていることに嫉妬しているのか?」 「死ぬがよい」 こいつはなんで毎度話を阿呆な方向へ持っていくのだろうか。 薄笑いを浮かべる顔を殴りたくて仕方ないのだが。 「なに、心配するな。たまに話をする程度の仲さ」 心配はしてねぇ。 しかし意外ではあった。 確かに、転校当日こそ敵を作りまくっていたワルツだが、次の日から大勢と良好な関係を築いていた。 だから波照間と知り合いでも不思議ではないのだが…… 「波照間って、態度とか生意気じゃないかっしょ?」 昨日、初対面にも関わらずいきなり喧嘩を売られたからな。 まともに対人関係を持てない奴だというのが、俺の感想だ。 しかし、ワルツの弁はまるで正反対だった。
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