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とまぁ、そんなわけで、俺と輝欄は街中で突っ立っていた。 どこに行こうかな…… 決めていなかったぜ…… 「うぅ~ん……、どうするかなー…… そうだ! 伊達眼鏡専門店はどうだっしょ!?」 「パスぅ」 ぐ……!! 輝欄にしては痛烈な返しだ……!! しかし、まあ、伊達眼鏡専門店に行って喜ぶなんて、チョンマゲ女ぐらいしかいないだろうよ。 これはやはり、無計画で街に出た俺の失態だ…… 俺は情けなくなり、輝欄の澄んだ瞳から目を逸らした。 街の情景に視線を巡らせつつ、行き先を考える。 なぁに、街中とはいえ少しくらい棒立ちしていても文句は言われないさ。 ここはバス停に程近く、待ち合わせをしているのか、一人で突っ立っている人間が少なくない。 だから、特段俺達に注意を払う人間はいやしないのさ。
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