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「分かった。波照間のことはもういいっしょ。で、瀬能って女子の方はどうなんだ?」
波照間の時とは打って変わり、ワルツは渋い表情になる。
「どう……と言われてもな。瀬能ネイとは一度も話したことがないので、なんとも言えぬ」
「は? 面識があるとか言ってなかったかっしょ?」
「うむ。正確に言えば、波照間朱雀との会話の時に、奴の背後にまとわりついている瀬能ネイを見たことがあるだけだ。挨拶すら交わさなかったな」
……俺は想像した。
ワルツと波照間が談笑するなか、波照間の背後に棒立ちする瀬能の姿を……
あの眼で背中を見られてると思ったら生きた心地がしないな……
「その二人……仲良さそうに見えたかっしょ?」
ここでもまた、ワルツは考える素振りを見せる。
瀬能については殆ど情報がないということか。
「そんな単純な言葉では表せぬ。
我には何か特殊な繋がりがあるように感じたな……」
特殊……か。
どことなく嫌な響きだぜ。
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