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だがしかし、生徒の半数近くが欠席している現状、授業を進めるのはいかがなものかと思う。 三年生は受験を控えているので仕方ないと言えば仕方ないのだが…… いや、まあ、そんなことはどうでもいい。俺としては例の二人について聞ければいいのだ。 「じゃあ手短にするっしょ。一つだけなら大丈夫ですよね」 「う~ん……、そうですね。それぐらいでしたら」 先生は渋々といった感じで了解してくれた。そのわりに笑みを浮かべているので不思議だったが。 「では単刀直入に聞きますっしょ。 Hクラスの瀬能ネイ、それから波照間朱雀はどんな生徒ですか?」 「ふみ……」 二三一先生が一瞬だけ渋面になったのを、俺は見逃さなかった。 心中は察せる。二三一先生もHクラスの連中には何かと面倒かけられてるからな。 「青田ちゃん……Hクラスなんて言っては駄目です。同じ学校の仲間なのですから」 「…… そうですね、すみませんでしたっしょ」 ……ふん。反吐が出るね。 生徒に甘いんだよな、二三一先生は。
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