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「お二人とも八組なのですが、とても良い子だと思いますよ」 おっと。 やはりと言うべきか、波照間も八組、つまりHクラスなのか。 この調子で少しずつ情報を引き出そう。 「それは、どうしてですかっしょ?」 「私の授業をきちんと受けてくれます」 八組の英語を受け持っているわけではないが、たまに代理を任されるのです、と先生は付け加えた。 いや、しかし、それにしたって…… 「……それが理由ですかっしょ?」 自信満々で答える先生に、俺は少し呆れた。 中学生並の容姿と体型を持つ二三一先生は、多くの生徒から親しまれていると同時に舐められてもいる。 先生が受け持つ英語の授業なんて、半数以上が居眠りをしているくらいだ。 そんな中で、真面目に授業を受ける生徒の存在は嬉しいだろう。 だが、それだけで良い子扱いするのは説得力に欠けるぞ。 「ふみぃ~、勿論それだけではありませんよ。 波照間君も瀬能さんも、先生のお手伝いをしてくれます。昨日もプリントを運ぶのを助けてもらいました!!」 嬉しそうに語る先生の姿は純真無垢な子供の様。 「へぇ……そうなんですかっしょ。 態度に問題とかは?」 「ふへぇっ? い、いえ。特に問題ないですけど」 そこはワルツと同じ内容だった。やはり、敵視されているのは俺だけ……か。
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