7人が本棚に入れています
本棚に追加
それにしても……何と言うか……
セントラルベイは人が多いため、中には変な連中もいる。
『森ねずみー、森ねずみー』などとブツブツ言いながら歩く黒ずくめの集団だったり……
『オートゥーラビュゥーー!!』とか歌いながら闊歩する外人がいたり……(こいつは何故か手から血を滴らせている)
誰かあの変人どもを逮捕してくれ……。俺はこの街の行く末を案じずにはいられなかった。
……と、思考が脱線していた時、不意に俺の袖が引っ張られた。
「うん? ど、どうしたっしょ、輝欄」
行き先の決定を催促されたのかと思い、若干緊張しつつ輝欄に顔を向ける。
しかし、それも杞憂だった。
輝欄は慰めるような労るような、とにかく優しい表情を浮かべていたのだ。
「青田ん……、そんなにぃ、悩まなくてもいいよぉ。青田んのぉ、行きたいところにぃ、私は付いて行くからぁ」
輝欄はニコリと笑い、最後にもう一言。
「青田んと一緒ならぁ、どこだってぇ、楽しいんだよぉ」
……
……な、なんて良い娘なのだろう……!!
こちらが赤面することを臆面なく言いやがる……!!
最初のコメントを投稿しよう!