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「うほぉ!! すげぇっしょ!!」 なるほど、なるほど。両端から回さないと動かない仕組みなのか。 無駄に凝った仕掛けに、何となく感動を覚える俺だった。 手応えがなくなるまで、つまりハンドルを回し切ったところで、扉がゆっくりと開き出す。 一旦、扉から離れた俺達の前に、これまた巨大な空間が現れた。 「うぁぁぁ!! ひっろいねぇ!!」 「あぁ……。まるで小人になった気分だっしょ……」 金庫の内部は広い……、そして高かった。 おおよそ校舎の三階分の高さがある。 外側からは分からなかったが、金庫は天井をぶち抜いて上層にまで及んでいるらしい。 なんて無駄な作り。そして馬鹿でかさ。 だが、呆れたのは何も金庫の広さだけではない。 内部に足を踏み入れると、目に付く物、物、物、物、物、物。 とにかく物で溢れていた。 下の階層には、古びた机やら用途不明の巨大な箱など、重そうな物が並んでいる。 上の階層には大量の段ボールが積んである。段ボールの中には細々とした忘れ物が入っているのだろう。 もう何というか、ゴミ箱に等しい空間だな……
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