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―――― どれだけの時間が経っただろうか。 光も音もない世界では時間の感覚が失われる。 人間はなんて脆い生き物だろう……、なんて哲学的なことを考えているうちに眠ったりもして、かなり時間が経った頃。 俺は携帯を開いて目も見開いた。 閉じ込められてから、ゆうに二時間が経過していた。 「阿呆か!! 呑気にも程があるぞ!!」 自分で自分をなじる。無理もない。実際、これはもう確定だろ。 ……俺は閉じ込められたのだ…… 事実を受け止めた瞬間…… 俺は諦めにも似た深い孤独感に襲われた。 世界から切り離された一画。誰からも見られない自分。そして……いずれ訪れるであろう死…… ゾクリ、と冷気が背中を抉る。 (そんな馬鹿な死に方があるかよ!! 誰か……、誰か呼ばないと!!) 金庫に取り残されたと分かった以上、校則違反だの体裁を気にしている場合ではない。 俺は金庫の扉をひたすら叩いた。 「おーい!! 誰か!! 誰かいないか!! 金庫の中に閉じ込められた!! 誰かいないか!! おぉぉぉぉいっ!!!!」 叫ぶ。喉を痛めるくらい叫ぶ。 叩く。手が痛くても、手が腫れても叩き続ける。 だが。 一向に返事はなかった。
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