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事件のことを思い返していた俺は、心中で嘆息した。 最近、溜め息が増えたなぁ……。しかし、それも仕方がないこと。 この頃、妙に厄介事に巻き込まれるのだ。 痴漢退治から始まって、不正潰しにストーカー問題、そして灰色の黒魔術事件。 あとワルツの件を含めれば五件か。 ……僅か一ヵ月の間に、身の回りで五件も騒動があった…… これを異常と言わずなんて表現すればいいんだ…… だがまあ…… 俺は、隣りを歩く輝欄の横顔をチラリと眺める。 輝欄の表情は、今日セントラルベイに誘った時と同じく、満面の笑みだった。 …… そうだ…… 俺は輝欄の笑顔さえ守れれば良いんだ。 そのために、五件の騒動も迅速に、全力で解決しようと動いた。 全ては、輝欄とともに歩む時間のために……!!   「どうしたのぉ、青田ん?」 気付けば輝欄が疑問符を浮かべて、俺の方を見ていた……
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