青年は遺書を買いに

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次に目に止まったのは 新作のカップラーメンだった。   イメージ写真がデカデカと張り付けられたPOPに、 赤い派手なキャッチフレーズが、荒々しい筆書体で書かれていた。     『キムチDEカップ!! アナタの心も御腹も満足させる麺のボリューム!!   本場韓国キムチスープの洗練された辛さ!!   最強!! 刺激ラーメン遂に誕生!!』     仰々しいまでの宣伝文句に釘付けになってしまう。   …こういった類いのラーメンは結構な確率で不味かったりするもんなんだが…   『新作』と『初回限定』という言葉に弱いんだよなぁ…一個買って不味かったらもう買わなければイイ話だし。   カゴに一個、 自称『最強刺激ラーメン』を放り込む。 今夜の晩飯はこれで決まりだ。 後は…       こうして店内を隈無(クマナ)くブラブラ歩いていると次々に 必要な物、 買おうと思っていて忘れていた物を思い出す。     そいいえば、 歯ブラシはヨレヨレになっているからそろそろ買い時だし、歯磨き粉ももう無くなる頃だな。   あとは、洗剤だろ? それから、 これと、 これ、それ、あ。これも無かったな…   必要だと思った物は直ぐ様カゴに入れていく。     店内を歩いて回る度、 腕に持ったソレはどんどん重さを増していった。
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