最終章

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『人間よ…もはや許すまい…ミリアを手にかけた罪…万死に値する!!』   持てる全てを持って私は人間に牙を向けた 魔術師の女を八つ裂きにし 格闘家の男を炭の塊に変えた   『ハァ…ハァ…くっそ!誰だよ…魔王なんてラクショーだって言ってたやつは…!!』 『人間よミリアを手にかけた罪は重いぞ!』   大きく振り上げた手を振り下ろす しかし 倒れていたのは私の方だった そう3対1なのだ 体力が持つ訳が無い 生物を無駄に殺したのも初めての私にとってそれは大きなストレスになっていたのだ   巨大な剣が腹部を貫通していくのが解る 目の前の勇者と呼ばれる人間は倒れる私を見て悪態をつくと 背を向け城を後にした   私は腹部に刺さった剣もそのままに ミリアの元に寄る ミリアは意識も絶え絶えに『逃げて逃げて』と繰り返す   『ミリア…終わったよ』 『あぁ…王よ無事なのですね…』 『あぁ無事だ…』 『良かった…ですが私はもう駄目です…最後まで王に仕える事が出来ません…』 『良いさ…ミリアは良くしてくれた…私の愛した人がミリアでよかった…』 『王…私も、貴方を愛…して…ま……す………』   ミリアの言葉を最後に私の意識は遠のき途切れた。 城には美しく微笑む一人のサッキュバスと優しく彼女を抱きしめる一人の青年の亡骸だけが残されていた…
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