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先に隊首室へ向かった二人に続いて、志波空鶴が元柳斎の元へとやってきた。
「…主のその姿を見るのは…二度目になるかの」
いつものような服装ではなく、死覇装、そして背には菱形に囲まれた“五”の字が目立つ隊長羽織。
背には、何かが詰められた袋を背負っている。
「当たり前だろ、今日は大事な話がしたくて来たんだ、格好くらいしゃんとするさ」
「…そうか」
広い一室の中心付近に1つだけ置かれた椅子。
それに座る元柳斎からは、総隊長として申し分のない、荘厳な佇まいを感じられる。
「じゃ、早速話に入らせてもらうぜ」
「うむ」
空鶴は背負っていた袋を下ろし、中から1本の刀を取り出した。
「…斬魄刀か」
「ああ、全部で8本ある」
空鶴は、袋の中から残っている7本の斬魄刀を取り出した。
「三番隊の十四、十七席、六番隊の十席、九番隊の八席…
十番隊の十五席、十一番隊の七、十二、十三席の斬魄刀だ」
「…それを何故主が持っておる」
空鶴は、1つ溜息をついた。
「何故、じゃねえよ…大体解るだろ?」
夜一は、部屋の隅で腕を組みながら、二人の様子をじっと眺めている。
「三月前から今日まで、流魂街の住人に手ェ出そうとした奴らから取り上げた斬魄刀だ」
元柳斎は、表情一つ変える事なく空鶴の言葉を聞いていた。
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