第二話

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「元柳斎、アンタはその事を知っていたか?」 「……」 何も答えない元柳斎を見て、空鶴はやや皮肉じみた笑みを見せる。 「ま、知るわきゃねえよな、全部俺が処理してたんだ」 面倒臭そうに頭をかき、空鶴は八本の斬魄刀を袋にしまう。 「俺としちゃあ、もう少し粘りたかったんだがな。 五件目の報告が来たあたりから、流魂街の連中も皆、いい加減どうにかしろって煩くなってきてよ」 少しずつ、元柳斎から重い空気が漂い始めた。 「…志波空鶴、一体いつから主はそこまでの権限を持つようになった?」 元柳斎から放たれる凄まじい霊圧が、辺りにのしかかる。 空鶴も、やや気圧されはするが、まるで引く気はない。 「権限云々の問題じゃねえ、てめえらのそういう過ぎた傲慢が、連中を下に見るっつう嘗めた思想を作り出してんだよ。 だから末席の席官なんぞが意気がって、こういう馬鹿やらかしてんだろうが!!違うか!?元柳斎!!」 全く自分を恐れぬ空鶴の姿を見て、一瞬元柳斎の頭に一人の死神の姿が想起される。 「………やはり兄妹…か」 空鶴は1つ息を吐き、元柳斎を見る。 「…図に乗りすぎた、アンタと口喧嘩しに来た訳じゃねえ……用件、言わせてくれ」 「…うむ」 向き合う二人の雰囲気ががらりと変わったのを、夜一は肌で感じていた。 「正直言うとな、俺が十三隊への入隊を決めたのは、この案を出す為なんだ、その為なら何番隊だろうと構わなかった」 元柳斎は、黙って一度頷いた。 「用件は1つだ…俺の隊を…」
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