第二話

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その頃、九番隊隊舎。 恋次が隊舎の中を歩き、檜佐木の姿を探していた。 「オイ、檜佐木さんは?」 声をかけられた男隊士が、ビクリとして恋次を見る。 「あ、阿散井副隊長…副隊長なら現世の乗り物乗ってどこか行っちゃいましたけど…」 恋次はまたかと言いたそうな顔をして、先へ進んでいく。 そのまま歩いていくと、隊首室が見えた。 隊首室の前で足を止め、扉に手をかける。 「まあ、隊長に頼むしかねえか……急ぎの用があったら最悪射場さんだけでもしょうがねえ」 恋次は2回、軽く扉を叩く。 「六番隊副隊長の、阿散井恋次です、隊長にお願いが…」 [いーよ、入ってきて] 恋次が話し終える前に、やや高めの男声が返ってきた。 「失礼します、実は五番隊の空鶴隊長の書…」 恋次は、椅子に座る男の姿を見て思わず固まってしまった。 「んー?どしたの、空鶴隊長が何だって?」 机の上に足を上げ、羽織は椅子にかけ、上半身裸のまま書類に目を通していた。 「……いい加減しゃんとしてくださいよ…隊士達に示しがつかないっすよ、その格好…」 「大丈夫、部屋に居る時以外は礼節に長けた常識人として振る舞ってるから」 この男が、新たに空席の九番隊隊長に就任した死神。 「かれこれ1年以上隊士には見られてないし、まだ暫くは大丈夫だって」 “垣沼虹織”である。
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