第二話

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「に、虹織君?」 京楽が、驚いた顔で垣沼を見る。 「恋次君から聞いて手伝いに来たんですよ、桃ちゃんが何か困ってるって」 「あ、ありがとうございます」 目配せをする垣沼に対し、雛森は少し引き気味に礼を言う。 「とにかくこれで隊長が二人、一気に終わらせましょう」 気合いを入れ直す七緒を見て、垣沼が手を叩く。 「おお、さすが、やる気満々じゃない、七緒さん」 七緒の指示で、伸びた恋次を除く全員が席についた。 その時だった。 『隊長各位に通達、これより緊急隊首会を執り行います。 各隊の隊長は至急一番隊隊舎へお集まりください。 繰り返します―』 「………」 「………」 京楽と垣沼は、顔を見合わせた。 「京楽隊長、垣沼隊長…」 皆が、一斉に二人を見る。 「……何だろう?」 「空鶴隊長が何かやったんじゃないですかね、ずっと総隊長と話してたみたいですし」 京楽は、七緒を見る。 「……七緒ちゃん、雛森ちゃん、勇音ちゃん…ごめん…抜けなきゃいけないみたい」 ハァと大きな溜息をつき、七緒は雛森と勇音を見る。 「…まあ、初めから隊長には期待してませんからね、早く行ってきてください。 業務だけなら、隊長より熟せる自信はありますから」 三人は作業に戻り、また忙しなく動き始めた。 「…いい副官ですね、七緒さん」 「……うん、厳しいけどね」 二人は副官三人に一礼し、隊首室から出て行った。
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