第二話

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「どういう事だ!?志波空鶴!!」 砕蜂が声を荒げる。 「…今総隊長が説明してんだろ…俺からも説明するから、黙って聴いてろ」 歯を食いしばる砕蜂をサラっと流し、空鶴は元柳斎を見る。 「この郛外区総霊域警護隊…略するなら流警隊ってとこだな。 各地に建設していた俺の住家を隊舎とし、そこに戦力を配置する事になる」 空鶴が前に出て、隊長達の前に一枚の大きな紙を広げた。 「…これは…」 浮竹が声を上げる。 「ああ、俺の作った拠点の位置だ、ざっくりと纏めただけだが……まあ、ほぼこの通りに配置されていると思って間違いねえ」 中心には瀞霊挺を示すであろう建造物の図。 それを円形に囲む12の簡単な家の図。 「主な任務としては名前の通り流魂街全域の治安維持だ、それにこの配置なら、虚や不審者の動きも充分感知できる。 もし見逃したとしても、技術開発局の連中が追って探知できるだろうしな、伝令を受ければどこであろうがすぐ迎撃に迎える」 全員が、じっと広げられた一枚の紙に目をやっていた。 「だが空鶴、その拠点に配備する戦力はどうするんだ?それに、戦力を置く以上は隊士を纏める者も必要になる… 理解しているか?規模こそ小さいかもしれんが、お前は組織を作ろうとしているんだぞ?」 浮竹の言葉に、白哉も続く。 「その通りだ、例え全ての隊から選抜するとしても、余りに時期が悪すぎる。 席官の補充が済んで間もない現状では、12人もそれに対応できる隊士は集められないだろう」 空鶴は、首を横に振る。 「馬鹿言うなよ、この案は隊長着任時から考えを纏めていたんだ。 ようやく戦力に当てができたから、こうしてお披露目してるんじゃねえか」 狼のような外見をした巨漢、狛村左陣が空鶴を見る。 「隊士を纏めるだけの実力者が12人も…?その戦力の当てとは何だ?」 空鶴は、ニヤリと笑った。 「…仮面の軍勢"ヴァイザード"の連中だよ」
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