第一話

4/15
前へ
/34ページ
次へ
翌日、空座第一高等学校。 オレンジ色の髪をした青年が、教室のドアを開ける。 「あ、おはよう一護」 クラスメイトの小島水色が、黒崎一護に声をかける。 「あれ、ケイゴはどうした?」 「アイツ今日休み、何か家の用事だとか何とか言ってたよ」 「そうか」 一護は席につき、窓の方を見る。 かつて死神だった頃の事が頭の中を走っていく。 藍染との戦いで死神の力を失い、普通の人間としての生活を送り初めてから1年半。 望んでいた普通の生活。 何故か望ましくない 普通の生活… 「…」 窓の前で、ゴツい体躯の青年、茶渡泰虎と栗色の長髪、アイドル顔負けのスタイルをした井上織姫が何か話している。 (…また、虚が出たんだな…) そんなことを考えながらぼーっとしていると、先生が入ってきた。 「おら席つけー!出席取るぞ!」 生徒達が一斉に席につく。 「ん~と、ああ、石田は休みだったな」 一護が、石田雨竜の座っている席を見る。 (珍しいな、アイツが休むの…) 「そうそう、石田の奴事故って入院してるらしいから、ゲーセンとか行かないで見舞にでも行ってやれよ」 一護は、ハッとして茶渡と井上の方を見た。 二人とも、下を向いて何か思いつめた表情を浮かべていた。 (何か…合ったのか?)
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加