32人が本棚に入れています
本棚に追加
翌日、空座第一高等学校。
オレンジ色の髪をした青年が、教室のドアを開ける。
「あ、おはよう一護」
クラスメイトの小島水色が、黒崎一護に声をかける。
「あれ、ケイゴはどうした?」
「アイツ今日休み、何か家の用事だとか何とか言ってたよ」
「そうか」
一護は席につき、窓の方を見る。
かつて死神だった頃の事が頭の中を走っていく。
藍染との戦いで死神の力を失い、普通の人間としての生活を送り初めてから1年半。
望んでいた普通の生活。
何故か望ましくない
普通の生活…
「…」
窓の前で、ゴツい体躯の青年、茶渡泰虎と栗色の長髪、アイドル顔負けのスタイルをした井上織姫が何か話している。
(…また、虚が出たんだな…)
そんなことを考えながらぼーっとしていると、先生が入ってきた。
「おら席つけー!出席取るぞ!」
生徒達が一斉に席につく。
「ん~と、ああ、石田は休みだったな」
一護が、石田雨竜の座っている席を見る。
(珍しいな、アイツが休むの…)
「そうそう、石田の奴事故って入院してるらしいから、ゲーセンとか行かないで見舞にでも行ってやれよ」
一護は、ハッとして茶渡と井上の方を見た。
二人とも、下を向いて何か思いつめた表情を浮かべていた。
(何か…合ったのか?)
最初のコメントを投稿しよう!