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その日の授業が終わってすぐ、一護は2人の方へ向かった。
「あ…黒崎くん…」
井上が、心配そうな顔で茶渡を見る。
「…話すしかないだろう、このまま黙っていたらまた何か無茶をしでかしそうだ」
茶渡は、事の始まりを説明し始めた。
昨日、自分と石田が浦原商店から虚討伐の要請を受けた事。
そしてその最中、石田の霊圧が消滅した事…
「そんなに強い虚だったのかよ、まさか破面…」
「いや、間違いなくただの虚だ、おおよそどんなヘマをしようと、あんな大怪我はしない」
石田の怪我は、脊髄の損傷。
原因は、背後から凄まじい力で打撃を受けた事だと、浦原商店の店長は言っていた。
「治療はしようとしたんだが、どうにも妙な事になってな…」
「妙って…何だよ?」
「傷が治らないんだ、浦原さんの話だと、回復という概念そのものが弾かれてるとか何とか…一応石田の親父さんの病院に送ったが…どうなっているか…」
一護は、下を向いて歯を食いしばる。
「…そう気に病むな、お前のせいでこんなことになったわけじゃない」
茶渡は鞄を持ち、教室の入口へ向かっていく。
「黒崎くん…お願いだから、無茶はしないでね…」
井上も去り、気付けば教室には自分一人しか残ってはいなかった。
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