<I>#01:ヘルモン山の堕天使

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 止まったのを確認したように、俺に呼び掛けるおっちゃんの声。 その声を聞いてアイマスクを外す。 するとその先に広がったのは、 どこぞの基地の司令本部の様な光景。 「うわ……」  思わず声が漏れる。すると、おっちゃんはにっこりと微笑む。 「気に行って頂けたかな?」 「……ところで、ここ何なんですか?」  俺は思った事をズバリ聞いてみた。 「ここは秘密結社“グリゴリ”だ。私ともう一人で管理している組織だ」  秘密結社?世界征服とか狙うノリのヤツ? 「…なんですかそれ?」 「君は――昔“世界征服”を夢見た事はないかね?」  予想的中。 「私がその夢を実現すべく、築き上げた要塞だよ。ここの他にも、日本各地に支部が点在している」 「…マジですか」 「本当だよ。君はこれから、私達の計画成就のために尽力して貰う」  世界征服――子供の頃、ダークヒーローに目覚めた俺が、 一度は夢見たことのある夢だ。 この組織は、マジでその世界征服を実現しようとしている。 …無駄にワクワクする話やんけ。
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