<I>#00: 覚    醒

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 逃げている最中、色々な事が頭をよぎった。 日常生活が失われるとか、両親に合わせる顔がないとか、 その他諸々。  そう、俺は非日常の世界に足を突っ込んだのだ。 それも、自分が不思議な力に目覚めるという、 まるで漫画かアニメみたいな展開で。 一つ現実的なのは、俺が人を殺してしまった事。 正当防衛なんやろうけど、殺した方が悪い。 俺は、犯罪者になった。 「……っはぁ、はあ……」  息を切らせながら、おおよそ見つからないであろうと思った 埠頭の倉庫に隠れる。なんとか煙に巻けたようだ。  それから、俺は日が暮れるのを待ち、 海沿いの道を歩いて山を目指した。 もう自分の家には帰れまいと悟ったからである。 だが、道をふらふらと歩いていると、 あるひとつの問題が発生する。  それは、空腹。 腹が減っては戦は出来ぬ、というヤツだ。 「……腹減った……」  仕方がないので、取り敢えず今日はここで 野宿することにした。 人目につかないように、近くの林の中で、鞄を枕にして寝る。 意外と心地が良い事にびっくりしつつ、眠りについた。
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