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逃げている最中、色々な事が頭をよぎった。
日常生活が失われるとか、両親に合わせる顔がないとか、
その他諸々。
そう、俺は非日常の世界に足を突っ込んだのだ。
それも、自分が不思議な力に目覚めるという、
まるで漫画かアニメみたいな展開で。
一つ現実的なのは、俺が人を殺してしまった事。
正当防衛なんやろうけど、殺した方が悪い。
俺は、犯罪者になった。
「……っはぁ、はあ……」
息を切らせながら、おおよそ見つからないであろうと思った
埠頭の倉庫に隠れる。なんとか煙に巻けたようだ。
それから、俺は日が暮れるのを待ち、
海沿いの道を歩いて山を目指した。
もう自分の家には帰れまいと悟ったからである。
だが、道をふらふらと歩いていると、
あるひとつの問題が発生する。
それは、空腹。
腹が減っては戦は出来ぬ、というヤツだ。
「……腹減った……」
仕方がないので、取り敢えず今日はここで
野宿することにした。
人目につかないように、近くの林の中で、鞄を枕にして寝る。
意外と心地が良い事にびっくりしつつ、眠りについた。
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