始まり ~Start~

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──キーンコーンカーン… 時刻は夕方。 午後の最後の授業が終わり、ホームルームを終えると、それぞれが部活やら帰宅やらで生徒が教室を出ていく。 俺も帰るかなー、と一度伸びをし、教室を後にすると、廊下で壁に寄りかかりながら美奈が立っていた。 別に気にしてない訳では無いが、誰を待ってるかなんて知ったことでもない。 俺はさっさと前を横切った。 「…ちょ…ちょっと待って!」 前を横切ったら、いきなり美奈に肩を掴まれ、心臓がドキッとした。 「…どしたの?」 あくまで平常心。俺はそう言い聞かせて美奈の方を向く 「えっと…あのね慎吾…」 美奈はもじもじしながら上目使いで俺を見る。 な、なんだ、この仕草! まっ、まさか美奈が俺の事を…! 俺は思わず生唾を飲み込む。 「あ、あのね…慎吾って確か高倉君とお友達だったよね…」 「……は、はい?!」 「これ渡して欲しいんだけど…」 美奈が渡してきたのは手紙付きのプレゼントだった。 ついでに高倉とは拓真のことだ。 高倉 拓真(たかくら たくま) スポーツ万能だが頭が悪い。成績はいつも下から数えた方が早い。 茶髪混じりの黒髪、瞳は茶色 学園トップクラスのイケメンだったり… 美奈と同様ファンクラブがある。 美奈は顔を真っ赤に染めていた。 しかし、俺はすぐにそれを突き返した。
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