1人が本棚に入れています
本棚に追加
──キーンコーンカーン…
時刻は夕方。
午後の最後の授業が終わり、ホームルームを終えると、それぞれが部活やら帰宅やらで生徒が教室を出ていく。
俺も帰るかなー、と一度伸びをし、教室を後にすると、廊下で壁に寄りかかりながら美奈が立っていた。
別に気にしてない訳では無いが、誰を待ってるかなんて知ったことでもない。
俺はさっさと前を横切った。
「…ちょ…ちょっと待って!」
前を横切ったら、いきなり美奈に肩を掴まれ、心臓がドキッとした。
「…どしたの?」
あくまで平常心。俺はそう言い聞かせて美奈の方を向く
「えっと…あのね慎吾…」
美奈はもじもじしながら上目使いで俺を見る。
な、なんだ、この仕草!
まっ、まさか美奈が俺の事を…!
俺は思わず生唾を飲み込む。
「あ、あのね…慎吾って確か高倉君とお友達だったよね…」
「……は、はい?!」
「これ渡して欲しいんだけど…」
美奈が渡してきたのは手紙付きのプレゼントだった。
ついでに高倉とは拓真のことだ。
高倉 拓真(たかくら たくま)
スポーツ万能だが頭が悪い。成績はいつも下から数えた方が早い。
茶髪混じりの黒髪、瞳は茶色
学園トップクラスのイケメンだったり…
美奈と同様ファンクラブがある。
美奈は顔を真っ赤に染めていた。
しかし、俺はすぐにそれを突き返した。
最初のコメントを投稿しよう!