始まり ~Start~

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「自分で渡せ。じゃなきゃ意味ね~ぞ」 気持ちが冷めてくのを感じ、俺は美奈にプレゼントを突き返すと、さっさと歩き出す。 「…な!?…なによもう!せっかくこの可愛い私が仲良くしてやってるのに~!!プレゼント渡すぐらいいいじゃない!」 美奈は怒り出して叫んだ瞬間、俺は立ち止まって振り返る。 「別に…仲良くしてくれ何て頼んでね~よ。 …自意識過剰女」 最後の部分は聞こえないように表情を冷たくして睨む 「ひっ!」 美奈は思わず後ずさり、俺は無視して振り返って歩き出す。 「…ち、うぜぇ!」 少しキレ気味で玄関で靴に履き替えると正門に向かって歩き出す。 美奈もやっぱり拓真か… なんて、思いながらしばらく歩くと正門に着いたのだが、何故かかなりの数の人が騒ぎ立てて溜まってるではないか。 裏門に回ろうかとも思ったが、家は逆方向になるし、また遠い距離を歩きたくない。なら、掻き分けて進んだ方が早いだろうと判断した。 「…はぁ…面倒くさ…」 そう呟くと人混みを掻き分けて正門を目指す。
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