始まり ~Start~

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 戸を開くとすぐに居間があり、男は居間を突っ切って、洗濯機が置いてあるバスルームに直行する。 ふぁ~と欠伸をし、洗濯機の蓋を上げて寝巻きを放り込むと、洗剤を入れ、スイッチを押して洗濯機を起動し台所に向かう。 台所は質素で、小さな水道にその隣にガス台、物を置くスペース。その隣に冷蔵庫があるくらいだ。 男は冷蔵庫を開け、中をあさりだす。 「え~と、確か野菜がまだあったはず…」 「御守く~ん。迎えにきったよ~ん」 すると、玄関から語尾にハートマークが付きそうな気持ち悪い男の声が響く 御守と呼ばれた少年… まぁ、俺は冷蔵庫を漁るのを止め、すぐに冷蔵庫を閉めると台所の隣にある玄関を開けた。 そこには俺と同じ格好をした男が、左の頬の近くで両手を合わせて、片足をあげ、女の子だったら キャピーン! と効果音が出てきそうな格好をしてたっていた。 「何だ。拓真か…朝から耳障り、目障りだ」 と言うと、俺は直ぐ様ドアを閉める。 「悪い、冗談だ。だから入れてくれ」 しかし、拓真はすぐにドアの間に足を挟んで、割り込んできた。 俺ははぁ~と溜息をついて拓真を中に招き入れた。
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