己が信念の果てに

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ここからは、分からない 既に榎本は蝦夷に多くの艦隊を用意し切り、万全だと聞く 俺達も… 出来るだけの兵は集めてある おいおいと情けなく散ることなど、有り得ない事だろう 俺達は新撰組として… 今、この戦いの場にいる 無くすはずだったもの それも、ここにある 「ほれてめぇら、近藤さんが話すからよく聞けよ!!」 そして木霊した土方さんの声に、皆が近藤さんの方を向いた 斬首されるはずだった近藤さん 既に、己の運命も知ったと聞く 今、局長の目には我々はどのように映っているのだろうか? 静かに、話は始まった 「これから、俺達は二手に分かれ長い戦いをするだろう 信じあってきた仲間が死ぬことも、信じてきた味方が寝返ってしまうこともあるだろう だが、俺達は歩もう 将軍様が、幕府が… 俺達の存在を望まず、戦いを拒んでいたとしても 俺達はここで長い歴史を築いてきた幕府に、こんなにも慕う臣下がいた事を示すために戦おう 己の信じてきたもの… それを最後まで、抱えて歩もう」 幕府の存在は絶対 近藤さんにとってその言葉は、将軍の意に背く事を主張する… 何かを打破するものだ だが、同時に… 自分の信念を貫き、そして幕府に自分が出来る最後の恩を 返そうとする言葉だ 「何があろうと恐れるな 俺達は誇り高き幕府の武士 しかしこれは… 死すための戦いでは無い 死す場所を探す戦いでも無い 己が信念を費やすことでも、また壊されることでも無い 今一度幕府の為にと刃を掲げ 生きてこの世で、命尽きるまでこの国の為に戦おう!!」 近藤さんが刀を抜く それに合わせ、皆も抜く 繋がらなかったものが… 俺の見たかったものが… 見えたと感じるのは、気のせいではない 高らかに掲げられたその何よりも鋭い刃を、俺は誰が守ったか… 誰が本気で望んだのか、知っている 俺達は散ることのない… 武士だ 「行くぞオメェら!!!」 「「「おう!!!」」」
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