━違和感と恋心━

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だがすぐ、道理で、と思った。 セラの料理は上手い。 小さい頃から、何故か料理だけは上手かった。 母も認めていたほどだ。 そんなセラから教えてもらったのなら、上手くなるのは当然だろう。 だが、なぜ野菜や肉を切る時の手つきはちゃんと教えてやらなかったのだろう。 不思議だ。 「そうか。道理でうまいわけだ」 「セラさんのおかげです」 ホープは嬉しそうに照れ笑いをして言った。 「なんなら、明日から夕飯はセラや私じゃなくて、ホープに頼むかな」 ライトニングは冗談めかして言った。 「その方が良いかもしれませんね。ライトさんはたまに失敗しますから」 ホープは笑いながら言った。 「なっ…。人は誰だって失敗することもあるんだぞ」 「わかってますよ」 つくづく生意気だなと思った。 最近、立場が逆転してきそうな気がする。 数年後私はホープからどんな風に見られるのだろうか。
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